ちょっとうれしいこと

町の声、人の声
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八月が始った今朝のことです。眠い目をこすりながら朝のルーティンをこなしていたら、何かガサゴソと物音がするのです。「もしや。」と思いました。というのはやろうと思って、電燈を消したりしたけれど、天井高く飛び立ったまま、行方不明になってしまったからです。出窓のブラインドをあげたり、窓際の本立ての後ろをさがしてみても、蝉の姿が見当たりません。あきらめかけた所、またもや、いそがしく羽を動かす音がしたのです。部屋の隅にある石油ストーブの上から、出窓を覗いたら、いました。ミンミンゼミでしょうか。片手つまみ、窓から放してあげました。どうなるかと思いましたが、本当に元気よく東の空に向かって飛び立っていきました。土の中で長い間幼虫で過ごし、やっと成虫になった所で、図らずも、家の中で、朽ち果てるなんてかわいそうなことです。なんと二日間も家の中ですごしたとは驚きものです。ちょっとしたうれしいことがありました。

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