その昔、紅花宿と呼ばれて

生け花
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赤い花は、ツツジ、黄色い大きな花は、ユリ、小さい黄色い花は、紅花です。紅花と言えば、昔から山形県の最上地方が有名ですが、意外に知られていないのが、埼玉県桶川市の紅花栽培です。桶川市の紅花栽培は、江戸時代半ばに江戸の商人が紅花の種をもたらしたことに始まります。山形では、早春に種をまくのに対し、桶川では、秋に種まきをし、比較的温暖な気候を生かし、いち早く山県の紅花より1カ月も早く収穫できたそうです。そのためか、江戸時代の終わりには、山形につぐ、紅花の生産量をあげたそうです。また、古くからの宿場町として栄えた地の利もあって、遠く江戸や京都の商人が買い付けにやってきて、山形を上回る相場で、紅花が取引されたそうです。紅花の花には、黄色系と赤色系の2種類の色素が含まれていて、いずれも容易に水に溶ける性質があるので、簡単にとりだし、染物に利用されました。今では、その種から食用油をとり、おまけに油を絞った種子は、栄養価が高く、家畜のえさに利用できるようです。桶川の町は、かっては宿場町兼紅花の集散地として紅花宿と呼ばれ、大いに栄えたのですが、今ではすっかり衰退してしまいました。しかし町ではかっの富と文化をもたらしたくれた紅花を市の花として、町づくりのシンボルとしています。

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