ピンクの花は、芍薬、ワインレッドの花のような苞につつまれているのはリューカデンドロンといいます。「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と美人をほめたたえる言葉を子供の頃、漫画の中で覚えたものの、芍薬がどんな花か今一つわからないで大人になってしまいました。こうして今、芍薬を見ると、なるほどそのあでやかさに目を奪われてしまいます。ところで、もともと芍薬は、その名が示す通り、観賞用として栽培されるほか、その根が葛根湯の材料に使われているということです。もともと東アジアで栽培されたものが日本にもたらされたのは平安時代をさかのぼるようです。日本で品種改良されたものを「和シャクヤク」といい、フランスを中心としたヨーロッパに普及したものを「洋シャクヤク」といいます。もともとヨーロッパには原種のシャクヤクがありましたが、本格的に普及したのは十八世紀に中国からシャクヤクがはいってきたからといわれています。もう一つのリューカデンドロンというたいへん個性的な名前は、白い木を意味するラテン語ということです。それから花のように見える苞を指で動かすと白い花が見えてきます。
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